第1回 トーさん、よく聞かれるんですが、、、
犬の撮影を始めてから、ずいぶん長い時間が経ちました。
数えきれないくらいの犬たちの写真を撮影させてもらってます。
飽き性な僕が毎回、新鮮な気持ちで撮影に臨めるのは
きっと、犬たちがいつも違った表情を僕に見せてくれるからなのでしょう。
笑ったような顔、困ったような顔、ちょっと怒ったような顔をした時は
とりあえず、撮影はちょっとお休みとか、レンズの向こうにはいつも小さなドラマが
ありました。写真屋家業ゆえに、よく飼い主さんに聞かれるのですが、
「どんな機材を使っていますか?」とか
「どうしてこんな表情を撮影できるのですか?
僕は答えます。そしてたいがい、ぽかあんとした顔をされるのです(笑)
「どんな機材でも良いんですよ。僕はプライベートの写真は、ほとんど携帯のカメラです。
そして、僕よりあなたの方が、きっと素晴らしい写真を撮影できますよ」
理由はあります。
僕はプロですから、お客様が満足する写真を撮影します。
それは、制限がかかるということなのです。
例えば、商品の広告だったりすると犬と同じくらいに商品も
目立たせなくてはいけなかったり、躍動感を求められれば
走り回っている写真、安らかな表情だったら、すやすや寝ているような写真などなどと
決められた枠の中でシャッターを切るのです。
加えて、それを限られた時間の中で撮影しています。
そういった訳である程度の技術が必要なのです。
これは、プロの方が仕事に影響するのであまり言わないのですが(笑)
僕は飼い主さんが撮影する写真が一番チャーミングだと思っています。
テクニックとかじゃないのです。そこには素顔の愛犬の表情や仕草が
あります。一番近い人が、好きなだけ時間をかけて
撮影するんですから!誰にも見せない顔を見せてくれるはずです。
それはかけがえのない一枚になると思うのです。
僕にしても同じです、最高の犬写真!それは過去や現在の愛犬の写真なのです。